つぶさ)” の例文
其方どものうちにも、過日の件を目撃した者があるとのことだが、この佐々木小次郎もまた、当日の立会人として、親しくあの試合には双方の実情をつぶさに検分いたしておる。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひどい目にっていたところを、佐々木小次郎に助けられ、その小次郎が、此家ここへ案内しろといってきかないので、閉口したが、とうとうていよくいって、別れて来た——ということをつぶさ
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「どうせ、今宵かぎり、この国の人とも山河とも訣別わかれてゆくおまえだから、知らないものならいうまいと思ったが、気づいたからはつぶさに話そう。あの灯はた、お那珂なかさんが、糸仲買の専右衛門に、嫁にもらわれてゆく仰山な明りだよ」
旗岡巡査 (新字新仮名) / 吉川英治(著)