寒戸さむと)” の例文
『遠野物語』の中にも書いてある話は、同郡松崎村の寒戸さむとというところの民家で、若い娘がなしの樹の下に草履を脱いで置いたまま、行方知れずになったことがあった。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
しかも両親がのちに病にかかって同じ枕に寝ているのを、術をもって遙かにこれを知り、心配をして見舞に還ってきたというのは、やはり松崎の寒戸さむとの婆などの例であろう。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
松崎村の寒戸さむとといふ所の民家にて、若き娘梨の樹の下に草履ざうりを脱ぎおきたるまま行方を知らずなり、三十年あまり過ぎたりしに、ある日親類知音の人々その家に集まりてありし処へ
遠野物語 (新字旧仮名) / 柳田国男(著)
松崎村の寒戸さむとというところの民家にて、若き娘なしの下に草履ぞうりぎ置きたるまま行方ゆくえを知らずなり、三十年あまり過ぎたりしに、或る日親類知音の人々その家にあつまりてありしところへ
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)