密話みつわ)” の例文
矢もたてもなく大阪から飛んできながら、弦之丞の影をちらとのぞくと共に、迷いと羞恥しゅうちにつつまれて、はしたなく声もかけられずにいるうちに、二人が密話みつわになりだしたので
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
草木くさきのそよぎにも、恟々きょうきょうと、心をおどろかす敗軍の落伍者らくごしゃが、身をかくまってもらおうと、弁天堂べんてんどう神主かんぬし、宮内の社家しゃけにヒソヒソと密話みつわをかわしていると、せばよいのに
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)