寄波よせなみ)” の例文
寄波よせなみの帯は海面よりかなり低いので、その海面は今では高く黒い山の背のようになって私どもの上にそびえていたのですから。
ずっと前の方から間断なく雷のように轟いている寄波よせなみの音が聞えたばかりではなく、樹の葉のざあざあ鳴る音や大枝の擦れ合う音までが聞えて来たので
寄波よせなみを、潮ざゐを。また夕ぐれを知るなり。
その絶壁の陰鬱いんうつな感じは、永遠に咆哮ほうこうし号叫しながら、それにぶつかって白いものすごい波頭を高くあげている寄波よせなみのために、いっそう強くされているばかりであった。
けわしい磯に白波を立てて轟きわたっているのが見えも聞えもする寄波よせなみなど、そういう島の光景のためであったろうが、——とにかく、太陽は赫々あかあかと焼くがごとくに輝いていたし
船はいま、渦巻のまわりにはいつもあるあの寄波よせなみの帯のなかにいるのです。
前には、樹々の梢の上に、寄波よせなみで縁取られている森の岬ケープ・オヴ・ザ・ウッズが見えた。