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寄木
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よせき
ふりがな文庫
“
寄木
(
よせき
)” の例文
下は左右を銀金具の
抽出
(
ひきだし
)
に畳み卸してその四つ目が床に着く。床は
樟
(
くす
)
の木の
寄木
(
よせき
)
に
仮漆
(
ヴァーニッシ
)
を掛けて、礼に
叶
(
かな
)
わぬ靴の裏を、ともすれば危からしめんと、てらてらする。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
エルベがわ上流の
雪消
(
ゆきげ
)
にはちす葉のごとき氷塊、みどりの波にただようとき、王宮の新年はなばなしく、足もと危うき
蝋磨
(
ろうみが
)
きの
寄木
(
よせき
)
をふみ、国王のおん前近う進みて、正服うるわしき立ち姿を拝し
文づかい
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「私から——ええ私から——私から誰かに上げます」と
寄木
(
よせき
)
の机に
凭
(
もた
)
せた
肘
(
ひじ
)
を
跳
(
は
)
ねて、すっくり立ち上がる。紺と、濃い黄と、
木賊
(
とくさ
)
と
海老茶
(
えびちゃ
)
の
棒縞
(
ぼうじま
)
が、棒のごとく
揃
(
そろ
)
って立ち上がる。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
円鈕
(
ノッブ
)
を前に押しながら、開く戸に身を任せて、音なき両足を
寄木
(
よせき
)
の
床
(
ゆか
)
に落した時、
釘舌
(
ボールト
)
のかちゃりと
跳
(
は
)
ね返る音がする。窓掛に春を
遮
(
さえ
)
ぎる書斎は、薄暗く二人を、人の世から仕切った。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
寄
常用漢字
小5
部首:⼧
11画
木
常用漢字
小1
部首:⽊
4画
“寄木”で始まる語句
寄木細工
寄木板
寄木親