“家棟(やむね)” の例文
風が出たとみえて、庭の立樹(たちき)がゴウッ——潮騒(しおざい)のように鳴り渡って、古い家である、頭のうえで、家棟(やむね)の震動(しんどう)がむせび泣くように聞えてくる。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
はいってみると、これがどうしてよくもこれだけためあげたと思われるほどな一倍の広大きわまりない大邸宅で、ことに目をひいたものは、家棟(やむね)にすぐとつづいた二戸前の土蔵でありました。
家棟(やむね)の上で
野口雨情民謡叢書 第一篇 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
言葉の終らないうちに、ゴウッ!——家棟(やむね)が震動(しんどう)して、パラリ、屋根のどこかに音がしたかと思うと、冬の雨は脚(あし)が早い。早やつづけさまに軒を叩(たた)いて——本降(ぶ)りだ。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)