学生がくしょう)” の例文
旧字:學生
すべて学問というものは後学恐るべしといって、学生がくしょうという者は学問にかけては必ずしも先達であるからということはないのである。
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「三輪の親分が、急須きゅうすに戻して、何処かへ持って行きました。本草の学生がくしょうにでも見せて、どんな毒を使ったか調べ度いということで」
銭形平次捕物控:239 群盗 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
ふつうの学生がくしょうたちとまじって、範宴は、朝は暗い内から夜まで、勤行ごんぎょうに、労役に、勉学に、ほとんど寝る間もなく、肉体と精神をつかった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
学生がくしょうと堂衆が仲が悪く、合戦に及ぶ事も何度かあり、その度に学生が負け、何人かの学生が命を失い、山門の滅亡も時間の問題かと思われてきた。
国学は各国別にあって、博士が一人、学生がくしょうが二十人ないし五十人。他に医師・医生等もあった。科目はシナの古典の学習を主とし、並びに書道と音学とを教える。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
「沙門さん、おめえは、法隆寺で勉強している学生がくしょうかい?」と訊くのであった。範宴は、自分の顔を見て問われたので
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
学生がくしょう骨になりて。念仏やうしなわんずらん」
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
いつものように、学生がくしょうたちへ、華厳法相けごんほっそうの講義をすまして、法隆寺の覚運かくうんが、橋廊下をもどってくると
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
実はその後、叡山えいざんに上り、根本中堂の講堂にては、一山の学生がくしょうを集めて、その見聞と感想を演舌し、また、諸院の碩学せきがくたちの招請に応じても、自分の意見を忌憚きたんなく述べてまいったのだ
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
年もまだ十七、八歳でしかないので、古顔の学生がくしょうたちはすぐからかった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)