“孤軍”の読み方と例文
読み方割合
こぐん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
知らないうちに重囲じゅういのうちに自分を見出みいだした孤軍こぐんのような心境が、遠くから彼女を襲って来た。彼女は周囲あたりを見廻した。しかしそこには夫を除いてたよりになるものは一人もいなかった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
当夜若君の孤軍こぐんは、いちどは重囲じゅういにおちいられたが、折もよし、人穴城ひとあなじょうの殿堂から、にわかに猛火を発したので、さすがの呂宋兵衛るそんべえも、間道かんどうから逃げおちて、のこるものは阿鼻叫喚あびきょうかんの落城となった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)