嫁御寮よめごりょう)” の例文
『女房を見せろ。花嫁御を! アッアッアッアッ山の神を! 婚礼の宴会さかもりは充分だ! 早く嫁御寮よめごりょうを見せてくれ!』
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
嫁入着物に糊附のりづけものを売ったため、嫁御寮よめごりょうの変死から、その母親が怨みののろい「め」と書いては焼火箸やけひばしをつきさしていたという、怪談ばなしの本家江島屋の
持参金附きの嫁御寮よめごりょうであるから、尻の軽い彼女に逃げられないやうに、忰と二人で精々機嫌を取らなければならない訳で、猫のことなどは勿論始めから問題でなかつた。
猫と庄造と二人のをんな (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「何でもそこの嫁御寮よめごりょうは、吉良様の御家老とやらから来ておいでじゃということでございますわ」
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
どうしても、お気の毒なのは、こちらへ貰われて来る嫁御寮よめごりょうだと思わないわけにはゆきません。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「なんじゃ、法師聟が通ると? ……。ほ、それでは、あれが、嫁御寮よめごりょうか」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「その時の、嫁御寮よめごりょうに、何んとまあ、美しい、よう、似てござる方」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
持参金附きの嫁御寮よめごりょうであるから、尻の軽い彼女に逃げられないやうに、忰と二人で精々機嫌を取らなければならない訳で、猫のことなどは勿論始めから問題でなかつた。
猫と庄造と二人のをんな (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「それは盛んなことじゃ。そうして嫁御寮よめごりょうはもうこっちへ着いたのか」
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「ではあの、やがてご家中に、伊丹わたる嫁御寮よめごりょうにでもなるのであろ」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自分がいろいろ細工をしてやっと我が家へ迎え入れる迄にぎ付けた、持参金附きの嫁御寮よめごりょうであるから、尻の軽い彼女に逃げられないように、忰と二人で精々機嫌きげんを取らなければならない訳で
猫と庄造と二人のおんな (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「いとしや嫁御寮よめごりょう
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして未亡人の楓は、嫁御寮よめごりょうの附き人として娘の春女と共に牡鹿山の御殿に仕えるようになり、次第に自分の子供たちを説いて仲間に加えたのであろうが、それらの詳細ないきさつは知られていない。