婚約こんやく)” の例文
しかし、心の中では、父が朝倉先生にあてた手紙に道江のことを書いたとすれば、それは恭一との婚約こんやくに関係したことにちがいない。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
おんなかがみいのちのごとく、たっとんだのは、わかっているが、しゅとして結婚けっこんしてからのことで、婚約こんやくかがみをおくったかどうか、よくわからない。
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
先ぶれは町じゅう馬をはしらせて、ご婚約こんやくのことを知らせました。あるかぎりの祭壇さいだんには香油こうゆが、もったないような銀のランプのなかでもえていました。
そのむかしには、色あざやかなゴンドラの上でタンバリンの音がひびき、婚約こんやくの指輪が輝かしい総督そうとくの船ブーチントロから海の女王アドリアへ投げこまれたのです。
西洋流せいようりゅうですと、婚約こんやく指輪ゆびわをおくる風習ふうしゅうがありますが、東洋とうよう日本にっぽんでも、むかしから、おんなこころをうつすといって、かがみをたいせつにしましたが、婚約こんやくにももちいられはしなかったでしょうか?」
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぼくの道江に対する気持ちは、親類のおとなしい女の子という以上には出ていなかったのだ。また、婚約こんやくのことにしたところで、まだ何も正面切っての話があっていたわけではなかった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
あたし、ツバメさんと、はんぶん、婚約こんやくしたのもおんなじなのよ。