妙高みょうこう)” の例文
山口中将は、空中戦にかまわず、『愛宕』『高雄』『妙高みょうこう』『那智』の四大巡洋艦をひきいて、ぐんぐん敵陣におしよせて行く。
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
あの金剛こんごう妙高みょうこうのように、機雷をグワーンと喰わなきゃならんで、今のところ低気圧の散るのを待たねば、艦隊は損傷が多くなるばかりじゃ。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
心づよくもひとりこの島にすみながら妙高みょうこう、黒姫、飯綱の山やまをつつむ恐しい雲のかなたに秋の日のうすれて落ちてゆくのをみればさすがにわりない里恋しさをおぼえる。
島守 (新字新仮名) / 中勘助(著)
赤城と白根の間に男体山が見える、人夫の一人は男体山を富士山だかと三、四回も自分に質問した、浅間山がさかんに噴煙している、頸城くびきの平野を隔てて妙高みょうこう山が屹立きつりつしていて
平ヶ岳登攀記 (新字新仮名) / 高頭仁兵衛(著)
すなわちあれが能登のとの半島、また、うしろに見える山々は、白馬はくば戸隠とがくし妙高みょうこう赤倉あかくら、そして、武田家たけだけしのぎをけずった謙信けんしんの居城春日山かすがやまも、ここよりほど遠からぬ北にあたっておる
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
旭山の向うから、第二艦隊の『愛宕あたご』『高雄たかお』『那智なち』『妙高みょうこう』が出て来る。はるか遠くを水雷戦隊が進んで行く。
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
それも道理、アジア艦隊との一戦に、残念にも妙高みょうこう金剛こんごうとを喪い、外に駆逐艦と飛行機を少々、たっとい犠牲とすることによって、どうやら、アジア艦隊の始末をつけることが出来たのであった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)