妄説もうせつ)” の例文
我々はこれを遠ざけなければならんという妄説もうせつは、ただ一部の人の言うに止まらず到る所にこの説が伝わって居ります。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
汝らも、この辺をよくわきまえて、市民の者が妄説もうせつに惑わされたりすることのないようによくつとめい
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかしハナガツミというものがその原種だというのは、妄説もうせつであると私は信ずる。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
彼もそれが愚にもつかない妄説もうせつだということを、十二分に信じていたのである。
種々の妄説もうせつはほとんど世間の人を迷わすものばかりであったからで。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
と、まず抱懐の一端をのべて味方のうちにある根拠なき妄説もうせつの一つを粉砕し、また
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)