女漁をんなあさ)” の例文
横着で、物慾がさかんで、生活力が強大で、その上力があつて、女漁をんなあさりに一生を賭けたやうな、手のつけやうのないやくざ男だつたのです。
そして、このことは彼を憂鬱にするが、情勢として女漁をんなあさりにふけるより仕方がない。だから、彼の場合は、女に選び好みの感情は失はれてゐる。
日本三文オペラ (新字旧仮名) / 武田麟太郎(著)
「春日邦之助樣は槍術名譽の腕前とうけたまはつて居ります。白粉をつけた女漁をんなあさりをするのらくら者を、そんな卑怯な手段で殺すはずはございません」
見たところ背の低い脂肥りの五十前後、顏は死の苦惱もなくおだやかで、何んとなく愚鈍ぐどんにさへ見える表情です。恐らく物慾と女漁をんなあさり以外は、何んの興味も持たない人柄でせう。
主人が——私の口からは申し上げにくいことですが、金をバラいて女漁をんなあさりをするのが氣に入らないさうで、そのうちに命を申受けに行くから——などと恐ろしいことを書いてありました
女漁をんなあさりの猛烈さが、必ずしも扇屋の金力ばかりではなかつたと首肯うなづかせます。