女三にょさん)” の例文
このやしき女三にょさん尼宮あまみやの三条のお邸に近かったから、源侍従は何かの時にはよくここの子息たちに誘われて遊びにも来るのであった。
源氏物語:46 竹河 (新字新仮名) / 紫式部(著)
最愛の夫人むらさきうえの死もそれである。女三にょさんみやの物のまぎれもそれである。
女三にょさんみやがおいでになってからは、以前のように思うことをすぐに言う習慣も女王は改めていて、素知らぬふうを作っているのであった。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
無理な恋の会合を相手としめし合わせてすることにもなりやすいのであるが、女三にょさんみやは深さもないお心ではあるが、臆病おくびょう一方な性質から
源氏物語:35 若菜(下) (新字新仮名) / 紫式部(著)
女三にょさんみやをなお気がかりに思召おぼしめされて、六条院は形式上の保護者と見て、内部からの保護をみかどにお託しになった。
源氏物語:35 若菜(下) (新字新仮名) / 紫式部(著)
女三にょさんみやに対しては運命が今少し自分に親切であったなら、自身のものとしてこの方を見ることができたのであったと思うと、自身の臆病おくびょうさも口惜くちおしかった。
源氏物語:35 若菜(下) (新字新仮名) / 紫式部(著)
多い候補者の中の婿選びを困難に思召おぼしめ女三にょさんみや以外の姉宮がたに求婚をする人はさてないのである。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
今のみかどの第三の宮と、同じ六条院で成長した朱雀すざく院の女三にょさんみやの若君の二人ふたりがとりどりに美貌の名を取っておいでになって、実際すぐれた貴公子でおありになったが
源氏物語:44 匂宮 (新字新仮名) / 紫式部(著)
なつかしく語り合ったあとで中の戸をあけて、宮のお座敷へ行き、はじめて女三にょさんみやに御面会した。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
柏木の大納言と女三にょさんみやに関したことは、長い月日になじんで何の隠し事もたいていは持たぬ姫君たちにも今まで秘密を打ち明けて言ってはなかったのであるが、薫は
源氏物語:48 椎が本 (新字新仮名) / 紫式部(著)
女三にょさんみやもこの修業をしているであろうと御想像あそばすのであって、宮が出家をされてからは、以前にも変わってちょっとしたことにも消息を書いておつかわしになった。
源氏物語:37 横笛 (新字新仮名) / 紫式部(著)
女三にょさんみや衛門督えもんのかみの恋を苦しくばかりお思いになって、長く生きていようとお望みにならなかったのであるが、死の報をお得になってはさすがに物哀れなお気持ちになった。
源氏物語:36 柏木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
家族たちが病室を出て行った間に衛門督は女三にょさんみやへ送る手紙を書いた。
源氏物語:36 柏木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
御簾みすの中で女三にょさんみやが今の言葉に耳をおとめになったであろうかと片心かたごころにはお思いになりながらもそうであった。こんな音楽の遊びをする夜などに最も多くだれからも忍ばれる衛門督であった。
源氏物語:38 鈴虫 (新字新仮名) / 紫式部(著)
御寺みてらの院は、珍しい出産を女三にょさんみやが無事にお済ませになったという報をお聞きになって、非常においになりたく思召したところへ、続いて御容体のよろしくないたよりばかりがあるために
源氏物語:36 柏木 (新字新仮名) / 紫式部(著)