“奔激”の読み方と例文
読み方割合
ほんげき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
千曲は流れもゆるく、瀬も浅いが、犀川はそれにくらべるとはるかに奔激ほんげきしていた。この川すじの水量が最も浅くれるのは、真夏の七月が頂上である。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
渦まく瀬へ、一抱えの落葉を投げこんだように、その奔激ほんげきすがたは、同じであっても、落葉の一葉一葉の驚きや、動作や、意思は、各〻めいめい違ったものであった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼にも、足利公方あしかがくぼうの義昭と、どこか共通している錯誤さくごと性格があったのである。時代の奔激ほんげきをあくまで甘く見て来た顕門けんもんのお坊ッちゃんは——こうして次々に溺れてゆくしかなかった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)