奏楽そうがく)” の例文
旧字:奏樂
そして、周囲しゅういうものは、あの可憐かれんないわつばめでなくて、人間にんげんうつくしい男女だんじょらでした。きくのはあらしのうたでなく、ピアノの奏楽そうがくでした。
しんぱくの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
宴会はそれから軽快な奏楽そうがくとともにはじまって、でてくる飲みものや食べるものの豪華なことといったら、隊員たちのどぎもをぬくにじゅうぶんであった。
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)
此処の顔ものぞきたく、身は一つ心は千々に走せまはつて、匆々そう/\忙々ばう/\と茫然自失する折から人ををどり立たす様な奏楽そうがくの音起つて、舞踏室の戸は左右に開かれぬ。
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
あまり高くない奏楽そうがくが聞こえていて、気持はいよいよしずかになる。そこで二分間ばかり待たされていると、「どうぞ、こちらへ」という声がして奥へ通ずる扉を自動的に開かれる。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
やがて奏楽そうがくの音が聞こえると、いよいよ王子ロロー殿下がこの広場へはいってきた。
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それをいちいちのぞきこんでゆくうちに、三根夫は、ある店に、小さな娘の人形が、オルゴールのはいった小箱のうえで、オルゴールの奏楽そうがくとともにおもしろくおどる玩具おもちゃを、一つ買った。
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)
「なんだか聞えましたね。でも、わたくしは奏楽そうがくだと思いました」
千早館の迷路 (新字新仮名) / 海野十三(著)