大過たいか)” の例文
せつなるみ願いにより、日光お作事目付、貴殿にお頼み申しあげそうろう。何分、子々孫々ししそんそんにいたるまで光栄のおやくゆえ、大過たいかなきよう相勤めらるべくそうろう
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
神でないものが天下統一の大業を成そうとするのである。大過たいかあらばその業は不適任な者としてみずから止むしかないが、小過は天もゆるしてくれよう、官兵衛もまたゆるすだろう。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
携帯の風呂敷包を下駄箱げたばこの上に置き、素早くほどいて紋附羽織を取出し、着て来た黒い羽織と着換えたところまでは、まずまず大過たいかなかったのであるが、それからが、いけなかった。
佳日 (新字新仮名) / 太宰治(著)
彼女等の感覚によって大過たいかなく日常を処置しょちしているようである。