大様おうよう)” の例文
旧字:大樣
それでいて山水遠近の配置が決して単調でなく、大様おうようで少しもせせこましくない変化を豊富に示している。
札幌まで (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
禿鷹が丁寧ていねい御辞儀おじぎをするのに、山の神は大様おうようにうなずいてみせました。
コーカサスの禿鷹 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
今までこの女に精神的のものとして感じられたものは、ただ大様おうよう贅沢ぜいたくな家庭に育った品格的のものだけだと思っていたのに、この娘から人生の価値に関係して批評めく精神的の言葉を聞くのである。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
と二郎青年が不審がると波越氏は大様おうように笑って答えた。
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)