大徳だいとく)” の例文
是などもあとの句はこし大徳だいとくの故事をんだものらしいが、まん中はやはり荒々しい山伏村の写実であった。そうかと思うと『続猿蓑ぞくさるみの』の夏の夜の章には
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
翌朝、母親が手ずから着物を着せて、父親が口上こうじょうを教えてくれた。嫁を貰う息子を未だ子供だと思っている。新太郎君は羽織袴に昨夜散髪の帰途かえり大徳だいとくへ廻って特に吟味ぎんみして来たタスカン帽。
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
これはげん成宗せいそう大徳だいとく十一年梅渓ばいけい書院の刊本を以て底本としたものである。いで手にったのが『千金要方』の宋版である。これは毎巻金沢文庫かなざわぶんこの印があって、北条顕時ほうじょうあきときの旧蔵本である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)