大和おほわ)” の例文
男世帯なる篠田家に在りての玄関番たり、大宰相たり、大膳太夫だいぜんのたいふたる書生の大和おほわ一郎が、白の前垂を胸高むなだかに結びて、今しも朝餐あさげの後始末なるに
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
何殿どなたです」と、大和おほわ雪明ゆきあかりにすかして問ふを、門前の客はそでの雪払ひもへず、ヒラリとばかり飛び込めり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
け行く寒き夜を、大和おほわ一郎の兀々こつ/\と勉学に余念なし、雪バラ/\と窓を打ちて、吹き入る風に身をふるはしつ「オヽ、寒い、最早もう何時かナ、未だ十二時にはなるまい——」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)