夙夜しゅくや)” の例文
ソノ安キト否トハ国運ノ由ツテ以テ隆替スル所ナリ。朕ガ身ハ億兆ノ父母ナリ。夙夜しゅくや怵惕じゅってきス。汝ラソレこれヲ体セヨト。アヽ皇上ノ民ヲ憂フルノ深キコトクノ如シ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
曾ては国をおもって夙夜しゅくや寝ることのなかった者が、やがてはいたずらに肥え太って身じろぎも重く、壮年にして早くも後世の安楽をたのむという愚昧ぐまいなことになってしまう
新潮記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
自からおもねらず、自から曲げず、おのれに誇ることなく、人をいやしむことなく、夙夜しゅくや業を勉めて、天の我にあたうるところのものをまんにすることなくんば、あにただ社中のよろこびのみならん。
中元祝酒の記 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
先帝、臣が謹慎きんしんなるを知る、故に崩ずるにのぞみて、臣によするに大事を以てしたまいぬ。命をうけて以来、夙夜しゅくや憂歎し、付託のこうあらずして、以て先帝の明を傷つけんことを恐る。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)