外人よそびと)” の例文
わがためには面白きことも外人よそびとのためには何の興もなきものあらむ。われは我世のおほいなる穉物語をさなものがたりをありのまゝに僞り飾ることなくして語らむとす。
わが臆病なる心は憐憫れんびんの情に打ち勝たれて、余は覚えずそばに倚り、「何故に泣き玉ふか。ところに繋累けいるゐなき外人よそびとは、かへりて力を借し易きこともあらん。」
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
わが臆病おくびょうなる心は憐憫れんびんの情に打ち勝たれて、余は覚えずそばに倚り、「何故に泣きたもうか。ところに繋累けいるいなき外人よそびとは、かえりて力をやすきこともあらん」
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
今は外人よそびとの旅館となりて、凡そこゝに來らん程のもの一人としてこれに投ぜざるはなし。夫人をば輿こしに載せてかせ、我等はこれに隨ひて深くいはほり込みたるこみちを進みぬ。下には清き蒼海をる。
其歌は古の恢復せられたるエルザレム(ジエルザレムメ、リベラアタ)の調にあらず、大統領ドオジエうから絶えて、獅子の翼の外人よそびとに縛せられてより、ヱネチアの民はその歌謠の上の國粹をさへ失ひつるなり。