壬寅じんいん)” の例文
天保十三年壬寅じんいんの年枕山は二十五になった。正月の始めには江戸に還って、大沢順軒と相携えて杉田すぎたの梅林を訪い金沢かなざわに遊んだ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
暦数千八百四十二年(天保十三年壬寅じんいんに当る)貴国の八月十三日、長崎奉行の前にて甲必丹カピタンに読聞せし令書にってなり
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
寅之丞は当時近習小姓であった。天保十三年壬寅じんいんに生れたからの名である。即ち今の飯田たつみさんで、巽の字は明治二年己巳きしに二十八になったという意味で選んだのだそうである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
天保十三年壬寅じんいん 佐久間象山海防八策をたてまつる。清国しんこく道光どうこう二十二年、英兵上海を取り、南京に入る。南京条約る。七月、文政打払令うちはらいれいを修正して、寛政の旧に復す。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)