墓参はかまい)” の例文
旧字:墓參
あたしい住居じゅうきょうつってから一ねんともたないうちに、わたくしはせめてもの心遣こころやりなる、あのお墓参はかまいりさえもできないまでに、よくよく憔悴やみほうけてしまいました。
「今度お墓参はかまいりにいらっしゃる時におともをしてもござんすか。私は先生といっしょにあすこいらが散歩してみたい」
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かめ「そうか、墓参はかまいりでもしてやらなければ冥利が悪いから、度々たび/\してやんなよ、圓次も浮ばれやしないのサ」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
結婚した時お嬢さんが、——もうお嬢さんではありませんから、さいといいます。——妻が、何を思い出したのか、二人でKの墓参はかまいりをしようといい出しました。私は意味もなくただぎょっとしました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)