塵滓じんし)” の例文
何にも停滞ていたいしておらん。随処ずいしょに動き去り、任意にんいし去って、塵滓じんしの腹部に沈澱ちんでんする景色けしきがない。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その優しく愛らしく、ちと塵滓じんしを留めざる美しさは、名匠ラフアエロが空想中の女子の如し。烏木こくたんの光ある髮は、美しくなかだかなる額を圍めり。深黒なる瞳には、名状すべからざる表情の力あり。