嗣子よつぎ)” の例文
凡ての者の後方うしろにて彼等いふ。ひらかれし海をわたれる民は、ヨルダンがその嗣子よつぎを見ざりしさきに死せり。 一三三—一三五
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
尤もこの男は世の中の出来事を何一つ不思議がったためしはなかった。たとえ私が伯爵の嗣子よつぎになったといっても怪まないであろう。私は夜が更けてから家へ帰って、ぐっすり寝込んでしまった。
日蔭の街 (新字新仮名) / 松本泰(著)
先代に嗣子よつぎがなかったところから、子飼いの職人から直されて暖簾のれんと娘おりんを一度に貰って家業を継いだのだったが材料たねの吟味に鑑識めききが足りない故か、それとも釜の仕込みか叩きの工合いか
但しほか嗣子よつぎについてはかくいひがたし、ヤーコモとフェデリーゴ今かの國を治む、いと善きものをばそのひとりだに繼がざりき 一一八—一二〇
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
正しき嗣子よつぎ等にすゝむるごとく彼その兄弟達に己が最愛の女を薦め、まめやかにこれを愛せと命じ 一一二—一一四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
かれに代りてうけがへる女は、かれとその嗣子よつぎ等とより出づるにいたるしきを己が眠れる間に見たり 六四—六六
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)