喧噪けんさう)” の例文
窓の下の市場は喧噪けんさうをきはめて、燈火がにぎやかに光り出した。ゆき子は一人で部屋を出て行つて、寿司すしと、カストリ酒をビールびん一本買つて来た。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
砲車はうしやは石を運ぶ台だと云つて作らせた。要するに此半年ばかりの間に、絃誦洋々げんしようやう/\の地が次第に喧噪けんさうと雑ざつたふとを常とする工場こうぢやうになつてゐたのである。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
上等の教会の葬式の日の喧噪けんさうよりも甚だしく
嗚呼喧噪けんさうの巷も今し見れば
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)