哈爾賓ハルビン)” の例文
この哈爾賓ハルビンを中心に、赤がどの程度に白を侵すか、いかにして白よく赤を制するか、それは将来にかかる面白い見ものであろう。
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
大正十四年秋、シベリヤ経由でドイツから帰国の途中、哈爾賓ハルビンで国柱会の同志に無理に公開演説に引出された。
戦争史大観 (新字新仮名) / 石原莞爾(著)
明治四十二年十月伊藤公の哈爾賓ハルビンにおいて狙撃そげきせられた時槐南も公に随行し同じく銃丸を受け帰朝の後いくばくもなくして世を去った。享年四十九である。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その途上小村外相の帰朝を大連に、駐日露国大使マレウイチの来任を哈爾賓ハルビンに迎えて各々意見を交換した。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
間もなく岸本は病人の側で田辺の弘とも一緒に成った。岸本の親戚しんせきでここに集らない者は、哈爾賓ハルビンの方に行っている輝子の夫、台湾の民助兄、大阪の愛子などであった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「伊藤さんがどうかしたのですか」と、かのぢよが驚いた樣子で持つて來たのを見ると、北海メールの號外で、公爵が哈爾賓ハルビンに於いて韓國人に暗殺されたと云ふことが載つてゐる。一座は振動した。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
六月六日 哈爾賓ハルビンに向ふ。ニユーハルピンに止宿。
六百句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
松花江スンガリーすずきこほれる春早き哈爾賓ハルビンの朝のいちに行くなり
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
いま哈爾賓ハルビンの市中をあめりか人らしい夫婦が自動車を乗りまわして、いたるところで車上から銀貨銅貨を現実に撒き散らして歩いている。
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
杉浦と拮抗きっこうして大いに雄飛しようとし、あたかも哈爾賓ハルビンに手を伸ばして新たに支店を開こうとする際であったから、どういう方面に二葉亭の力を煩わすつもりがあったか知らぬが
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
哈爾賓ハルビン
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「明治四十二年十月二十六日午前八時、元勲伊藤公の坐乗せる特別列車は、長春より一路哈爾賓ハルビンをさして急ぎつつあった。」
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)