吹消ふっけ)” の例文
トタンにくだんの幽霊は行燈あんどんの火を吹消ふっけして、暗中を走る跫音あしおと、遠く、遠く、遠くなりつつ、長き廊下の尽頭はずれに至りて、そのままハタとむべきなり。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
光をいとうことかくのごとし。されば深更一縷いちる燈火ともしびをもお貞は恐れて吹消ふっけし去るなり。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)