可恥はずか)” の例文
「だって可恥はずかしいじゃないか。お前さんの前だけれど、あの御父さんに出られてたまるもんですか。お前さんの顔にだってかかります」
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「オイ、もうすこしシャンとしてお歩きよ……そんな可恥はずかしいような容子をして歩かないで。是方こっちがキマリが悪いや」
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「はい、もう泣きはいたしません。私が先へ覚悟をしておりましたものを、お可恥はずかしゅうございます。」
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お島は時々その事に思いふけっているのであったが、それを小野田に感づかれるのが、不安であった。お島は可恥はずかしい自分の秘密な経験を押隠すことを怠らなかった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
人の声がしたので、はねあがるように身を起したお島の目に、松の枝葉を分けながら、山を降りて来る二人の姿がふと映った。お島は可恥はずかしさに体が慄然ぞっ立悚たちすくむようであった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)