口術こうじゅつ)” の例文
いつのにかふすまのかげに立っていた呂宋兵衛るそんべえの口のなかへ——滅光めっこう口術こうじゅつ? ニヤリと笑って、評定の間へスルスルとはいってきた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人穴城ひとあなじょう竹童ちくどうと初対面のときに、問答もんどうちゅうにかれがやってみせたことのある、呂宋兵衛得意の口術こうじゅつ、いま、いて糸をわたらせた金蜘蛛は、壁にはりついている大蝙蝠おおこうもりのそばへはいよったが
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)