取鎮とりしず)” の例文
旧字:取鎭
左手ゆんでの方は門番の家だ。門番の女は門口の石段の上に立って一同を取鎮とりしずめて居た。彼はそのそばへ飛んで行って、首玉をグイと掴み上げ
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
竜一の家の人たちが飛び出して、みんなを取鎮とりしずめた時には、次郎は四五人の子供たちによってさんざんに棒切れで撲られているところだった。
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
文「なに、一軒いて隣は小野うじの家に相違ないが、小野に怪我があっては相成らんゆえ、わしが往って取鎮とりしずめて遣ろう」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ははは、いやどうも、あの車がかりの一術ひとてには、織田、武田。……子供どころか、町中が大辟易だいへきえき。いつも取鎮とりしずめ役が、五つ、たしか五つと思います、年上の私でしてな。
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「どうも……取鎮とりしずめてはおりますが、如何とも」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)