トップ
>
取付
>
とっつき
ふりがな文庫
“
取付
(
とっつき
)” の例文
宗助はいつものように
縁側
(
えんがわ
)
から茶の間へ行かずに、すぐ
取付
(
とっつき
)
の
襖
(
ふすま
)
を開けて、御米の寝ている座敷へ
這入
(
はい
)
った。見ると、御米は依然として寝ていた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
やがて
取付
(
とっつき
)
の板橋村近く参りますと、道路も明くなって、ところどころ
灰紫色
(
はいむらさき
)
の空が見えるようになりました。
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
けれどもなにごとも
取付
(
とっつき
)
が肝心だから、途中でいけなかったなんていうことになると
虻
(
あぶ
)
蜂
(
はち
)
とらずだからね、あたしもよく考えてみて、それからもういちど相談しようよ
柳橋物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
広い
階子段
(
はしごだん
)
を二階へ上がって、右へ折れて、突き当りをまた左へ行くと、
取付
(
とっつき
)
が重役の部屋である。重役は東京に行ってるもののほかは皆出ていた。それに一々紹介された。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この高原の広さは五里四方もある、荒涼とした原の中には、
蕎麦
(
そば
)
なぞを
蒔
(
ま
)
いたところもあって、それを耕す人達がところどころに
僅
(
わず
)
かな村落を形造っている。板橋村はその一番
取付
(
とっつき
)
にある村だ。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
私が三度目に帰国したのは、それからまた一年
経
(
た
)
った夏の
取付
(
とっつき
)
でした。私はいつでも学年試験の済むのを待ちかねて東京を逃げました。私には
故郷
(
ふるさと
)
がそれほど懐かしかったからです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
取
常用漢字
小3
部首:⼜
8画
付
常用漢字
小4
部首:⼈
5画
“取付”で始まる語句
取付端
取付虫