反帆たんぼ)” の例文
で——、やや明快なおもてをあげ、サッと海風のくるほうを眺めると、今、淡路の潮崎しおざきと岡崎の間を出てゆく十五反帆たんぼの船が目につく。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
川口へ下ってゆく、高瀬舟や番所船、十反帆たんぼの影などが、ゆるゆると流れてゆく合間に、向う岸の四貫島しかんじまの森から白い鳥群が粉のように飛び立つのが見えた。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
表積おもてづみは半分に称しているが、長さ十八けん、幅七間、二十四反帆たんぼ、二十四挺櫓ちょうろ、朱の欄干を立てめぐらし、金ちりばめの金具かなぐ屋形やかた結構けっこうさ、二十五万石の太守のお座船だけあって
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)