南京玉ナンキンだま)” の例文
細かい人形、お茶道具、おかまなべやバケツに洗濯板せんたくいた、それに色紙や南京玉ナンキンだま、赤や黄や緑の麦稈むぎわらのようなものが、こてこて取り出された。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
灰色の繻子しゅす酷似こくじした腹、黒い南京玉ナンキンだまを想わせる眼、それかららいを病んだような、醜い節々ふしぶしかたまった脚、——蜘蛛はほとんど「悪」それ自身のように
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
実をいうと『金色夜叉』は最初の構想が中途で何度も変ってまとまりが附かなかった未成品であるが、真珠の頸飾くびかざりちぎれたのを南京玉ナンキンだまで補ったような続篇が二つも三つも出来て、芝居は勿論