卓上テーブル)” の例文
たちまち壁は開かれて、其の中にさんとして一基の真珠塔が輝いて居るではないか。突如佐瀬は卓上テーブルの花瓶を取って怒れる眼鋭くハッシと許り橋本目がけて投げつけた。
真珠塔の秘密 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
青林館の主人は自分ほどこの女に興味がなかったと見えて、好加減いいかげんに歩を移して、突き当りの部屋に這入った。そこも狭い土間で、中央には普通の卓上テーブルえてあった。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あれと同じことで、味噌汁が、下へこぼれ落ちもせず、まるでやわらかいもちが宙にかかっているような恰好かっこうで、卓上テーブルの上をふわふわうごいているんだ。僕はおどろいたよ。
大宇宙遠征隊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
卓上テーブルに並んだ薬味台や洋酒の壜をじつと見比べた。
燈下、卓上テーブルを囲むで椅子いすに掛かれる会員の六七名
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「でも、社長の卓上テーブルにはベルもあるのですから」
「この調子で、暁け方まで頑張るのは、ちと辛いね」と大蘆原軍医が、ポケット・ウィスキーの小さいアルミニューム製のコップを、コトリと卓上テーブルの上に置きながら云うのだった。
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「壊れている? 壊れていても、エンジンを一つも出さないよりはましだ。出して置いた方がいい。それから椅子や卓上テーブルや毛布など隊員の生活に必要なものは一つのこらず出してくれ」
大空魔艦 (新字新仮名) / 海野十三(著)
二人のいる卓上テーブルのところまで持ってきた。
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)