半截はんせつ)” の例文
小太郎は、二時の授業時に、笑いながら、半截はんせつの用紙に、それでもやっと一枚と二行くらい書いて来て、新子にさし出した。
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
よく訊いてみると、先頃何処かの画会に、保太郎氏が半截はんせつに山水画をいて出品した事があつた。すると、大阪見物に出て来た、雲州辺の百姓がそれを見て熟々つく/″\感心した。
彼は抽斗ひきだしから少しよごれた円筒形に巻いたものをとり出し、そのテイプをほどいて、灰色の半截はんせつの紙の上に、ぞんざいな字で書いてある、短い文句の書いてある紙を、私に手渡した。
大分以前京都のある呉服屋が栖鳳、香嶠かうけう芳文はうぶん華香くわかうの四人に半截はんせつを一枚づつ頼んだ事があつた。出来上つてから店の番頭が金子きんす一封を持つて華香氏のとこへお礼に往つたものだ。