十兵衛じゅうべえ)” の例文
三太郎猿さんたろうざるはおうちゃくに、十兵衛じゅうべえひざ拝借はいしゃくしてもたれかかりながら、茶色ちゃいろの目をショボショボさせてながめている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それなる質屋の番頭の十兵衛じゅうべえと申す者と、三人してしかと立ち会い、じゅうぶん堅固な封印いたしておいたのに、さきほどお箱を開いて見改め申したところ
「番頭の十兵衛じゅうべえどのが、おかみさんの後見をいたしまして、主人同様に切り盛りしてござります」
腹立はらだたしげに、舌打したうちをしていかけると、それを持っていた三太郎猿さんたろうざるは、手をすべらして庭先にわさきやりを落としたので、十兵衛じゅうべえの方をふりかえると、ケン! と人をちゃにした奇声きせいはっしながら
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あわてきった十兵衛じゅうべえ指図さしず熊蔵くまぞう叱咤しったが、若侍わかざむらいたちの先駆さきがけをあおッた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
十兵衛じゅうべえは……十兵衛はいかがいたしたか」
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
十兵衛じゅうべえ様、呼び入れて参りましたが」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)