十九つづ)” の例文
外に貴嬢あなたさまの思ひ込みなされた御方が御ありなさるので御座りますか、貴嬢も十九つづ廿歳はたちとは違ひ、亡奥様せんのおくさまは貴嬢の御年には、モウ、貴嬢をひざに抱いてらしつたので御座いますもの
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
もし妾にして富豪の家に生れ窮苦きゅうくの何物たるを知らざらしめば、十九つづ二十歳はたちの身の、如何いかでかかる細事さいじに心留むべきぞ、幸いにして貧窶ひんるうち成長ひととなり、なお遊学中独立の覚悟を定め居たればこそ
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
とにかく子供のときからそんな習慣が付いているので、わたしは幾つになっても玩具や人形のたぐいに親しみをもっていて、十九つづ二十歳はたち大供おおどもになってもやはり玩具屋をのぞく癖がせませんでした。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
十九つづのわれすでに菫を白く見し水はやつれぬはかなかるべき
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)