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ひと
ふりがな文庫
“
匪徒
(
ひと
)” の例文
広栄は左右に
啓
(
あ
)
けた障子の一方の陰にいたので
正面
(
まとも
)
に客と顔をあわせなくてもよかった。客はあの
匪徒
(
ひと
)
の中の松山と半ちゃんであった。
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
全篇の主旨となす所は近年英
魯
(
ろ
)
両国の
入寇
(
にゅうこう
)
および回教
匪徒
(
ひと
)
の反乱とに際して、清国の武備の
甚
(
はなはだ
)
到らざることを慨歎し、以て世を
警醒
(
けいせい
)
するにあった。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それ等の絵には
義和団
(
ぎわだん
)
の
匪徒
(
ひと
)
や
英吉利
(
イギリス
)
兵などは
斃
(
たふ
)
れてゐても、日本兵は一人も斃れてゐなかつた。僕はもうその時にも
矢張
(
やは
)
り日本兵も
一人位
(
ひとりくらゐ
)
は死んでゐるのに違ひないと思つたりした。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
匪徒
(
ひと
)
の恐れありというので、護衛兵をも附した。
ファラデーの伝:電気学の泰斗
(新字新仮名)
/
愛知敬一
(著)
唐
(
とう
)
といいまして、人の噂では、
匪徒
(
ひと
)
の仲間入りをしているという男ですが、その男が
二更
(
にこう
)
のころに、酒に酔って歩いておりますと、その晩は月があって
涼亭:――序に代へて――
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
それ等の絵には義和団の
匪徒
(
ひと
)
やイギリス兵などは
斃
(
たお
)
れていても、日本兵は一人も、斃れていなかった。僕はもうその時にも、矢張り日本兵も一人位は死んでいるのに違いないと思ったりした。
本所両国
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
三人は品川大井大森方面を縄張にしている
匪徒
(
ひと
)
で、丹前は岡本と云う
三百代言
(
さんびゃくだいげん
)
あがり、
揉
(
もみ
)
あげは松山と云って赤新聞の記者あがり、角刈は半ちゃんで通っている
博徒
(
ばくと
)
であった。
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
“匪徒”の意味
《名詞》
匪徒(ひと)
暴行又は脅迫をもってその目的を達するため集団となること、又はその集団若しくは構成員。
(出典:Wiktionary)
匪
漢検準1級
部首:⼕
10画
徒
常用漢字
小4
部首:⼻
10画
“匪”で始まる語句
匪賊
匪
匪乱
匪事
匪兵
匪団
匪族
匪軍
匪賊化