ききめ)” の例文
旧字:
そこで方棟はあらゆる薬を用いて癒そうとしたがききめがないので、悩み悶えた後にひどく自分の行いを後悔するようになった。
瞳人語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
理窟よりも実物教育の判り易いこの人達だけに、案外ききめがあるかも知れない。
姉小路少将は、持っていた中啓ちゅうけいで受け止めたけれども、それは何のききめもない、横鬢よこびんを一太刀なぐられて血は満面にほとばしる。二の太刀は胸を横に、充分にやられた。それでも豪気の少将は屈しなかった。