加留多かるた)” の例文
何を笑いはしゃいで争ッているのかと見ますと、これは近ごろ流行はやッている読み加留多かるたのうんすんであります。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その畳んだじゃの先に赤いうるし加留多かるたと書いてあるのが敬太郎の眼に留った。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
今も、大部屋の真ん中では、壺か加留多かるたか、半瓦の留守をよいことにして、賭け事にかたまっている連中のひたいから、その殺気がもうもうと立ち昇っている。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
梯子段を踏む前に、ちらと、奥に見えた女達のむれは、一人の僧と、町人ていの男を交え、行儀わるく輪になって坐りながら、この頃流行はやりの加留多かるたを散らして遊んでいた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)