劉璋りゅうしょう)” の例文
蜀の劉璋りゅうしょうは漢の魯恭王ろきょうおうが後胤といわれ、父劉焉りゅうえんが封を継いでいたが、その家門と国の無事に馴れて、いわゆる遊惰脆弱ゆうだぜいじゃくな暗君だった。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この人は、彭義ほうぎあざなを永年といい、蜀中の名士です。ところが、主君劉璋りゅうしょうに直言を呈し、あまり強くいさめたため、官職を剥がれた上に、髪を
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
むしろこの際、その聞えを利用して、蜀の劉璋りゅうしょうへ一書をお送り下さい。いま曹軍が南下したので、呉の孫権から、荊州へ救いを求めにきている。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし、つらつら思うに、自分がに来た心の底には、蜀はとうてい、いまの暗愚な劉璋りゅうしょうでは治まらない。いずれ漢中に侵略される運命にある。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「万事は胸にある。もし、この儀について、劉璋りゅうしょうから君たちに召出しがあったら、君らこそ抜からずに頼むぞ」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「さては、成都の劉璋りゅうしょうが、窮する余りに、国をいて漢中に附与し、張魯へ膝を屈した結果とみえる」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「荊州の劉表りゅうひょうといい、益州の劉璋りゅうしょうといい、いずれも、自分と同じ漢室の宗親ですから、その国を奪うにしのびません。いわゆる同族相せめぐのそしりも、まぬがれますまい」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
益州(四川省)はどうかといえば、要害堅固で、長江の深流、万山のふところには、沃野よくや広く、ここも将来を約されている地方ですが、国主劉璋りゅうしょうは、至って時代にくらく、性質もよくありません。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「では、益州えきしゅう劉璋りゅうしょうは」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)