剩錢つり)” の例文
新字:剰銭
「これだけありや、剩錢つりが來ますよ、平常ふだん坊主客にもたれてゐる女どもが、若くて毛の長いのが二人揃つて行くと、持てますよ」
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
すなはち、一錢銅貨いつせんどうくわ五十餘枚ごじふよまいを、ざらりと一側ひとかはならびに、ほそい、あをい、ちひさい蝦蟇口がまぐち用意よういして、小口こぐちから、「さあ、さあ、お剩錢つりを。」——これは、以來いらい、九九九くわい常備じやうび共通きようつうつて
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「大丈夫で、醉つてはゐるが、親分に言ひつけられた仕事はちやんと——へツ、へツ、はゞかながらお剩錢つりを貰ひたいくらゐ、立派にやり遂げてめえりましたよ。へツ」