前壺まえつぼ)” の例文
さそくに友染ゆうぜんの膝を乱して、つくろいもなくはらりと折敷おりしき、片手が踏み抜いた下駄げた一ツ前壺まえつぼを押して寄越よこすと、たすけ起すつもりであろう、片手が薄色の手巾ハンケチごと、ひらめいてぷんかおって
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)