おきて)” の例文
主命を辱しむること、見よ、かくのごとし、既に仁恵といういずくんぞ越人えつじん秦人しんじんとを分たん、されどもこれをおきてと謂わば、また論ずるに足らざるなり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
だが、山には山のおきてがある、よしや、座主はゆるされても、おきてがゆるさぬ、弥陀如来みだにょらいがゆるし給うまい
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただ倶楽部で決められたおきてをやぶった者に対してだけ少しの容赦もなくその法外にきびしい制裁を下すと云うのであって、彼等倶楽部員は皆、極端なる、「不正を悪くむ紳士方」であるのです。
象牙の牌 (新字新仮名) / 渡辺温(著)