“切嵌(きりは)” の例文
マリヤの笄は代々孫兵衛の家につたえられ、仏間と見せかけて実は祈祷(きとう)の部屋である柱の切嵌(きりは)めに埋めて、七家のものの信仰の像(かたち)とあがめておりました。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうして轟く胸を押し鎮(しず)めながら廊下伝いに土間に持ち出して音を立てぬように塵を払うて参りまして、この電燈(あかり)の下に毛氈(もうせん)を敷いて、その切嵌(きりは)めの処から御像の首を抜いて見ますと
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
源氏ぶすまの切嵌(きりは)めの障子が、蒟蒻(こんにゃく)色にほの白くなっていた。
梅颸の杖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)