其角そのかど)” の例文
あいちやんは其後そのあとからぐに其角そのかどまがりましたが、もううさぎ姿すがたえませんでした。あいちやんは屋根やねからずらりと一れつられた洋燈ランプかゞやいてる、ながくてひく大廣間おほびろまました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
丸山の下の横丁まで來ると、其角そのかどを曲る出前持の松公に逢つた。松公は蕎麥そばの出前を、ウンと肩の上へ積上げて、片手に傘をして居たが、女の姿を見て見ぬふりをして行過ぎやうとする。
絶望 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
其角そのかどを……」と云ひながら女は細いゆびを前へ出した。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)