入込いれご)” の例文
私はまさか、よる内を出るわけにはかず、お稽古に来たって、大勢入込いれごみなんだもの。ゆっくりお話をする間も無いじゃありませんか。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その昔は場末の湯屋ゆうやは皆入込いれごみでございまして、男女なんにょ一つに湯に入るのは何処どこかに愛敬のあるもので、これは自然陰陽の道理で、男の方では女の肌へくっついて入湯を致すのが
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
庇様かげさまで、ここん処、ずっと売切っております。いえ、お場所は出来ます。いえ、決して無理はいたしません。そのかわり、他様ほかさま入込いれごみで、ご不承を願うかも知れません。
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)