ひずら)” の例文
いつかの大雪のあとが、遥かの県境の山肌には未だ牡丹の花弁はなびらのやうに点々と染みついてゐた。——一九〇五年、三月十日の空は明るく静かなひずらが万遍もなく輝いてゐた。
サクラの花びら (新字旧仮名) / 牧野信一(著)